生徒vsテロリスト?



(もう、『風のバリアー』じゃ通用しない…。

それどころか、
あたしの命も危険にさらされてる……。

あたしが今使える呪文で、
何か対抗出来そうなものは…?)


そう考えを巡らしている間にも、
ウサギの周りは巨大な竜巻が出来つつあった。


沙弥はウサギの様子をチラチラ確認しつつ、
必死に頭の中で呪文を探した。


…と言っても、
そんなに数があるわけでもなく。


(ヤバい!
全然対抗出来そうにないよ!)


ただただ焦るばかり。


しかも、
今、その竜巻は沙弥のすぐ目の前まで拡大している。


気を緩めれば、
一瞬で吸い込まれそうなほどだ。


(10メートルくらい距離があるはずなのに!

うさたんの呪文を拝借しようにも、
ただ跳ね返されて自分に返ってくるだけだよな…。

じゃあ一体どうしろと?)


その竜巻が大きくなると共に、
沙弥も少しずつ後退りした。


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