生徒vsテロリスト?
「『風よ!
この世界に満ちる大気よ!
汝の力を我に与えよ!
千代の春風、《春の嵐》!!』」
沙弥の発した呪文は、
木々をなぎ倒すような突風に変わって、
対抗呪文を唱えたらしいウサギを吹き飛ばした。
ハッと我に返った沙弥は、
慌ててウサギが飛んでいった方へと走った。
「うさたん!!
大丈夫?!」
5分ほど走っただろうか、
ウサギは相当遠くに吹き飛ばされていた。
沙弥は急いで、木の根本に横たわるウサギに駆け寄った。
「ごめん、ホントにごめんね………!」
ぐったりするウサギを胸に抱き寄せ、
涙を流した。
「気付いたら、知らない呪文口走ってた……!
ごめんなさい…!
あたし…!
どうすればいいのっ…!
うさたん!」