生徒vsテロリスト?
「じゃあ、やってみる!
…『我が手に宿れ、癒しの精霊。
彼の者に与えよ、
永久(とわ)の安らぎを。』」
そっと沙弥の手がウサギに触れると、
触れたところがパァッと光った。
沙弥はちゃんと治るよう、
目をつぶって心で念じた。
《…サヤ様。
ありがとうございます。》
その声を聞き、
目を開けた。
「もう何ともない?」
《はい。
サヤ様は“癒し”もお得意なんですね。
呪文を教えただけでしたのに。》
ウサギの誉め言葉に少し照れ笑いをしつつ、
沙弥は次なる呪文を習得すべく、またウサギにたくさん教えてもらった。