生徒vsテロリスト?
《サヤ様の使う魔法には、
『優しさ』を感じます…。
それにユリシスも応えているのだと思います。》
『優しさ』という言葉に、
沙弥は不思議に思った。
(さっきは、
すごい荒々しい気持ちで唱えちゃったのにな…。)
《……ですから…。》
沙弥の心を読んだウサギは、
ため息混じりにこう言った。
《ユリシスのこの回復力を見れば、
サヤ様が心優しい方だということは一目瞭然ですよ。
他の魔法使いがここで練習している時より、
はるかに回復が早いですから。》
さっきからウサギにたくさん褒められて、
下を向き恥ずかしそうにする沙弥。
「そ、そんなに褒めない…。」
《さて、もうあまり時間がありません。
次の2つの呪文で最後です。》
突然のウサギの変化に、
沙弥の背筋はピンとなった。