生徒vsテロリスト?



《サヤ様の使う魔法には、
『優しさ』を感じます…。

それにユリシスも応えているのだと思います。》


『優しさ』という言葉に、
沙弥は不思議に思った。


(さっきは、
すごい荒々しい気持ちで唱えちゃったのにな…。)


《……ですから…。》


沙弥の心を読んだウサギは、
ため息混じりにこう言った。


《ユリシスのこの回復力を見れば、
サヤ様が心優しい方だということは一目瞭然ですよ。

他の魔法使いがここで練習している時より、
はるかに回復が早いですから。》


さっきからウサギにたくさん褒められて、
下を向き恥ずかしそうにする沙弥。


「そ、そんなに褒めない…。」


《さて、もうあまり時間がありません。

次の2つの呪文で最後です。》


突然のウサギの変化に、
沙弥の背筋はピンとなった。


< 302 / 320 >

この作品をシェア

pagetop