生徒vsテロリスト?
『残り―――…
4分。』
(思い出せ…あたし!)
立ったまま、沙弥はずっと過去の記憶をたどっていた。
でも、なかなか出てこない。
(あたしは…両親の顔すらあやふやなんだよね…
でも、
優しくて尊敬できる親だった、
ってことははっきり覚えてる。
それと…
いくつかの【言葉】…)
『残り―――…
3分。』
また、ゼロの声が聞こえた。
そして、ゼロが放送のスイッチを切ると、
『…思い出せるわけがない。』
と、ゼロの隣に立っている【モトヒラ】が呟いた。
『確かになぁ…
記憶がないんだ、思い出せるはずがない…
…だが。』
と、言葉を詰まらせる。