生徒vsテロリスト?



沙弥は一生懸命記憶をたどった。


温かい何かに、包まれながら…


(…「パパとママの故郷はな…」

「とっても平和で、
そこにいるみんなが笑顔で、
幸せ溢れるところだったんだ…」)


…時間は、止まらない。


(…「俺たちはな…」)


カチッ。カチッ。


(「みんなと同じで、
とても幸せだったよ…」

「沙弥もいつか、そんな国を…」)


カチッ。カチッ。


(…「沙弥にも、
私たちがいた国の名前をちゃーんと覚えておいてもらわなきゃね!」)


カチッ。カチッ。


(…「俺たちがいた国…」

「それは…」)


『…5、4…』


ゼロの声が聞こえる。


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