ヒサイチ

最初は静かに出し入れされていた指が、次第に動きを激しくした。


指の数も一本だったのが、そのうちに指は二本になり、しまいにはおそらく三本になってた。


どうしておそらくなのかと言うと、その出し入れされている様を怖くて見れないからだ。


だから感覚で、ヒサイチの右手三本の指が、私の中に入っているのではないかと思った。


自分の中をぐしゃぐしゃにかき回わされた私は、ショックで声も出なかった。

< 106 / 181 >

この作品をシェア

pagetop