ヒサイチ

久しぶりに会ったヒサイチは、自分中心に世の中が動いているかのようなふてぶてしい感じは変わっていなかった。


だけどそれも先入観によるものなのかもしれない。


子供の頃のヒサイチを知らなければ、堂々としているとか、颯爽としているとか、そんな言葉で彼を表現するのかもしれない。


大人になったヒサイチは結構、思いやりがあり、言葉使いとは裏腹、デリケートな場面になるとしっかり優しくて、私は驚いてしまった。


子供の頃の記憶がすっかり利拭されたわけではないが、ヒサイチが『いい男』になったことを認めざるを得ない。

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