ヒサイチ


私は多分泣きそうな顔になっていたのかもしれない。


答えられない私の顔をヒサイチは撫ぜ付けて

「お前、恥ずかしいのか?」

と聞いた。


私が小さく首肯くと、彼は少し口角を上げてふっと笑った。


そして私の指を掴んで動かした。




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