ヒサイチ

私は仕方なくヒサイチにされた通りに、自分で指を動かしてみた。


しかし恥ずかしいという感情が先立ってしまい、とても気持ちいいと思える余裕がない。


そんな私にぎこちなさを感じたのか、ヒサイチは

「大丈夫だ。気持ちよくなれるから」

と耳元で囁きながら私を突いた。


吐息と一緒に発せられたその声は、ひどく魅力的だった。


< 167 / 181 >

この作品をシェア

pagetop