ヒサイチ

「お前・・・」

男は呆れたように声を詰まらせた。


その瞬間、表情が少し柔らかくなったような気がして私はほっとした。


そして頭の中を電気が走った。視覚と記憶を結ぶラインに。



思い出した。



この男はヒサイチだ。








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