ヒサイチ
性格もあまりいいとは思えなかった。
ヒサイチは相手がクラスメイトだろうと先輩だろうと先生だろうと、躊躇うことなく言いたい事を言っていた。
決して自分を抑えたり、気に入らない事を見て見ない振りをしたりするようなことはなかった。
面倒なことは大嫌いで、事なかれ主義の私には、彼のそういった態度はひどく常識はずれに思われて、ガキっぽく見えたものだ。
自分の頭の悪さを隠さないのも、誰に対しても言いたいことを言ってしまう性格も、ヒサイチの自己顕示欲の表われのように感じていた。