ヒサイチ

それほどのものじゃないだろう。そう思ったが、口には出さなかった。


まだ冗談を言い合うほどヒサイチに心が寄り添っていなかった。


私は話題を変えた。


「ヒサイチ君は何の会社に勤めているの? 」

「SK食品の企画、販売促進だ」

「SK食品って言ったら大手じゃない。良くそんな所に就職出来たね」

「何だよ。どういう意味だよ」

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