ヒサイチ
「後は?」
「これで充分」
「そんなでよくその肉が保てるな。経済的なカラダしてるんだな」
優しいと思った途端に落とされた私は、それでも5キロも痩せたんだ、と言おうとしたがやめた。
人並みになったと思っていた今の体型も、ヒサイチにとってはデブなのだから、もっとデブだったんだよと主張するようなものだ。
それは虚しいだけだ。
玉子サンドを掴んだまま無言の私にヒサイチは「どうした?」と言ってビールを渡した。