ヒサイチ

すると飲み干したビールの缶を眺めていた私の首を、ヒサイチが包むように掴んだ。


何だろうと思っていると、彼はそのまま私を引き寄せてキスした。


唇が触れたか触れないかの内に、もうヒサイチの舌が私の口の中に入って来て、私は驚きを隠せない。


だけどヒサイチの熱い舌で口の中をかき回されると、何だかちゃんとしなきゃという気になった。


ちゃんと応えなければ。


いい年をしてキスもまともにできないと思われたくなかった。


私は半分むきになってヒサイチの舌に吸い付いた。

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