夢恋Star
「あたし岩木 愛ー。
よろしくー」
「小田切 達也ー、知ってるか。
よろしくー」
………
この二人、なんか絵になる。
まるで、絵本の一ページ。お姫様と、王子様。
あたし、別にロマンチストなんかじゃない。
なのに
こんなこと思っちゃう。
「うわー、美男美女ー」
「ほんとだー」
そんな声さえ聞こえてくる。
…あたし、
ここにいるべきじゃない。
あたしはそっとその場を離れた。
胸の中で煙がモヤモヤしてるような感覚がした。
ちょっと息苦しくて。
あたしはそれを忘れるように、アップに写った。