夢恋Star


《いにちついて》



《よーい》



《バンっ》




たったの100メートル。
されど100メートル。

100メートルのドラマをあたしは見てた。


腕振って、腿あげて。




そして、ゴールラインを今、

踏んだ。



あたしはこの瞬間のために生きているんじゃないか。



初めて、
初めてそう思った。

タイムなんか、
順位なんか、なんだってよくなった。



最高ってきっとこうゆうこと。



「ねぇ、あんた。
えっと…陽菜っ!!」

振り向き様にはあいつの姿。

涙が出るかと思った。


< 29 / 42 >

この作品をシェア

pagetop