夢恋Star
《いにちついて》
《よーい》
《バンっ》
たったの100メートル。
されど100メートル。
100メートルのドラマをあたしは見てた。
腕振って、腿あげて。
そして、ゴールラインを今、
踏んだ。
あたしはこの瞬間のために生きているんじゃないか。
初めて、
初めてそう思った。
タイムなんか、
順位なんか、なんだってよくなった。
最高ってきっとこうゆうこと。
「ねぇ、あんた。
えっと…陽菜っ!!」
振り向き様にはあいつの姿。
涙が出るかと思った。