夢恋Star


あの時の言葉は、今でも覚えてる。

クラブのコーチの哀しそうな、声。顔。


《本当に、才能に溢れた奴だった…。
本当に、突然だった。

今でも、突然帰ってきそうな気がするよ…
夕焼け空をバックに、よぉとか行ってさ。
夕焼けが似合う奴だったなぁ…

なんだろうな。
学校終わってからここ来て、いつも夕焼けの最後の一本で1番の記録出すんだ。

普通2本目くらいで記録出るだろ?
なのに………》



その後も、感情的に長々と。

よっぽど愛されて、期待されて、

その期待、全部一人の背中に背負って走ったのかな。



もっと、軽い気持ちで走りたかっただろうなー。


って、今はそこじゃないわ。


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