夢恋Star
ねぇ。
神様は…ほんとにいるんですか−?
もう何もいらない。
もう、何もいらないからあの走りを見たかったんだ。
気付けば、目の前が歪んでいた。
「…っ陽菜!?」
「えっ…?」
歪んでいる世界のあたしの前にいたのは、小田切。
よくわかんないけど、きっとすごく驚いた顔をしていることだろう。
彼は、やっぱりいつもより1トーン高い声で、
「俺、なんかした…?」
と心配そうに聞いてきた。
したよ、ばか。
「ほんとに…なんで。
…−ありがと。」
今のあたしには精一杯の言葉だった。