夢恋Star


4階にある一年の教室からダッシュで階段駆け降りて、

またそこからダッシュで部室まで。


練習着に着替えて

スパイクに足を通す。



やっと、走れる。


7月の太陽の下で、
あたしは風になるんだ。


「よーし、じゃあとりあえず3キロ行くぞーっ」

「「はいっ!!」」

「タイム計るからなー」

「「…はいっ」」


梅宮部長の声に合わせて、みんなで返事をする瞬間から…


「よーい、どんっ」


自称(笑)、美人マネージャーの皐月先輩の声でスタートする瞬間、



そして…

河原を走ってる瞬間に、


あたしは《風》になるんだ。



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