マンホール
「いつも遅いじゃないの。もう遅いんだから早く寝なさい」


お母さんはそう言いつつもいつもお父さんを待ったりしている。


眠いんだったら寝ればいいのに。


あたしは「はーい」と返事だけして部屋に向かった。すると、お母さんは


「そういえば」



お母さんは前触れもなく話を切り出した。あたしはびっくりして後ろを振り返った。


「どうしたの?」



お母さんは少し戸惑っていたが、しばらくして息を吸い、話を切り出した。


「ちょっと気になったことがあって。明日休みだからまだ寝ないのなら聞きたいんだけど。茜音、眠くない?」
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