マンホール
「それで、不思議に思いながらもドアを引いたら開いてたから入ったの。


暗い中でなにかが同僚の上に跨っている姿が見えたの…それでその跨っているなにかは光ったものを持っていて同僚を切っていた。

それでしばらくじっとしていると暗闇に目がなれてきたからはっきりと見えてきて…」



チクタクチク…
時計の針が小刻みに動く音がはっきりと聞こえる。部屋はそれほど静かだ。

少し時計を見ると夜中の二時を指そうとしていた。


「同僚の上に跨っていたのは確かにあたしが取り上げた双子の赤ちゃんで手にはナイフを持っていてまだ動いている心臓を手のひらに乗せてた…

あたしは怖くてすぐに逃げ出して看護婦の仕事も辞めたの。看護婦のままだったらその赤ちゃんに殺されそうで」
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