マンホール
菊久乃は面白そうに指差して

「また推理、してたでしょ?」


と言った。


あたしのお父さんは警察官だ。

だからいつも遠くで起こる事件は身近に起きている気がしてた。

ブラウン管に映るニュースをみてはなにかしら推理してたっけなぁ。

あれは小さい時の遊びみたいなものだった。

今もその癖が残っていてすぐに推理してしまう。

「うっさいな。菊久乃が変死体って言うからよ」

とあたしは菊久乃に言い返した。



「だって、気になったんだもん」



菊久乃は口をとがらせ、頬をふくらました。
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