マンホール
 

「………………」






そこには誰もいなかった。




狭い路地には………
マンホールが5つ………




全ての蓋が綺麗に一列に並んでいた。




冷たいコンクリートにあるのは無残な肉片と塊。



「…うっ」


吐き気がした。思わずその場でうずくまる。


「……で…電話!!あたし電話かけてくる!」



菊久乃はあたしの返事を聞く前に走り去っていった。

こんなとこに一人ぼっちは怖いよ…。


かと言って走れるほど足に力が残ってなかった。


腰が抜けて立てなかったからだ。
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