マンホール
周りは一瞬にして俺を見た。口に手を当て、あたりを伺う。
「…すいません」
申し訳なさそうに頭を下げる俺に
イラついたような顔で客は自分の座っていた席につく。
胃がムカムカしているので味噌汁とご飯を食べて
慌ただしく、店を飛び出した。
「はぁ、はぁ、……」
まだ胸はドクンドクンと忙しく脈を打っている。
死体を見るのは慣れっこなのに…どうして…
眉間に手をあてて、ため息をついた。
まだ事件はなにも分かっちゃいない。
俺が解決しなきゃ誰が事件を解決するんだ。
そんな大げさな言葉で自分を励ましながら、警察署へ戻った。