マンホール
「まぁ、人が死んだところだ。楽しいところではないはずだ」

さらっといい切ると、薄気味悪い路地に入った。

いつも気にしないような足音がカツカツと響き渡る。

気味が悪くて帰りたくなった。いや、気味が悪いのは静かなせいだ。

きっとそうだ。

そうやって自分に言い聞かせた。


路地は狭く、奥の方は出口が見えない。

携帯で照らして見るがあまり効果はなく

あたりは薄気暗いまま。






「マンホールが異常にありますね……」





前はこんなになかったはずなのに




今はマンホールが10個以上もある…………




こんな狭い路地にマンホールが10個以上も必要ないはずだ。
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