マンホール
『はい』







女の人の声がインターホンから聞こえた。

なんだ、いたんじゃないか。やけに静かだからいないのかと思った。。

俺はそう思いながらも、すぐに返事を返す。


「あの、すいません。警察のものですが…少しお話伺いたいので出てきてもらってもいいですか?」



「…」


その人は返事もせずにインターホンを切ると

何も音をたてずに、玄関のドアを開けた。






「………なんでしょうか」





気持ちわるいほど顔は青白く、げっそりとしていた。年は40歳あたりだと考えられる。


ドアから少し顔を覗かせる程度で俺たちをとても警戒しているように見えた。
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