マンホール
「最近ここであった事件なんですが…テレビでも取り上げられているんですけど…ご存知ないですか?」


女は表情を変えることなく言った。


「…だから話を聞かせて欲しいって言うんですか?」


静かに呟いた。気味の悪い雰囲気をしているが物わかりはよさそうだ。


「はい。叫び声とか…聞こえませんでしたかね」


田坂はメモを用意して疑問を問い掛けた。
俺は女の方を見つめていた。


「さあ……わからないです。私…忙しいので」




そう言うとパタンと玄関のドアを閉めた。
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