マンホール
俺と田坂は顔を見合わせて笑った。

「いましたよ、さっき話をしましたから」

おばさんは首を傾げて不思議そうに言った。

「いや、確かにいないはずだよ。何十年か前に奥さんは旦那さんに殺されたからね」






殺された?






「それ以来、ここに住む人はいないんだ」





でもさっき話をした。あれはなんだったんだ?

不思議に思いながらも俺は納得しようとした。だが納得は出来なかった。

しかし、今は事件の手がかりを探しているのだからそんなことを気にしている場合じゃない。



「あなたは、一昨日、叫び声を聞きましたか?不審者とか…。なんでもいいので聞かせてください」
< 50 / 116 >

この作品をシェア

pagetop