マンホール
「ラブホが近いんだよ、この道は。それに一目につかないし」



独り言か話しかけているのか、そう言いながら一歩一歩マンホールに近づいていく…。






「ぎゃああああぁぁあ!!!!!」




総理は目を見開き、画面には血が飛び散る。体を切り裂く音が響き渡った。総理の叫び声が聞こえて画面は途切れた。




だが、声はまだ話を続けた。次はスピーカーから聞こえた。




「オマエラニノコサレタミチハヒトツ」






皆、固唾を呑んだ。こんな街中なのに誰一人として言葉を発しなかった。



「マンホールノナカデシネ。コロシカタハ、ジゼンニオシエル」
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