マンホール
「うっ…!!」






目をふせて、窓から視線を外す。


あいつらが言っていたことは本気だ。信じられないようなことだけど、事実だ。

田坂は俺の目をちらりと見る。そうして、強い口調で言った。




「絶対解決させましょう。僕と藤東さんで」






いつもは俺に頼ってくる頼りないやつなのに。今日だけはやけにしっかりしてやがる。


俺は田坂の肩をつかむと、同じようにして強く言った。


「絶対にだ」





少しだけ心強くなった気がした。
< 59 / 116 >

この作品をシェア

pagetop