マンホール
娘…?
俺たちとのゲーム?
頭にはめまぐるしくキーワードのように駆け巡っている。


全くもってやつらの言っていることがわからない。そして人間なのかもわからない。


呆然と立ち尽くす俺に田坂は言った。



「藤東さん、娘さんにSPをつけましょう」




今日の田坂はやけに凛々しい。まるで別人だ。




「そうだな。電話…かけないと」




そう言ってポケットの電話に手をかけた時だった。……廊下から微かに足音が聞こえる。微かだが誰かが歩いている音。





こちらに近づいてくる。足音はぼやけてはっきり聞こえない。でも確実に近づいてきている。
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