マンホール
足音はぴたりと止んだ。俺たちがいるスタジオの前だ。


ドアは開かない。
開きそうな気配もない。


誰だか分からないという恐怖が俺を襲った。だが、お互いになにもしないのでは始まらない。


銃をだし、構えてドアの端にぴったりとくっつく。



ドクン…ドクン…



心臓の音が俺の耳を支配する。静かなせいもあって、心臓の音以外聞こえなかった。銃を握る手にはじんわりと汗が染み出る。


開けると同時に銃を突きつけるんだ。



大丈夫。大丈夫だ、自分……
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