マンホール
次の瞬間






俺がドアを開ける前にドアが開いた。思いがけず、銃を突きつける動作が遅れる。






「犯人確保!!!」






聞き慣れた声が静かなスタジオに響いた。



「尾崎……」






同じ課の尾崎だった。あちらも銃をこちらに向けている。



「は…犯人は?」



まぬけな声で問いかけた。犯人なんて、もとからいない。スクリーンの中以外…


どうやってこの話を説明すればいいのか見当がつかなかったが、ざっくりと話すことにした。


「犯人はスクリーンの中だ」




尾崎はキョトンとして、「は?」と言葉を漏らした。
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