マンホール
「はぁ…。あとで追々説明する」


ため息をつくと目をふせた。なんだか夢を見ていた気分だ…

「あ、あぁ」



尾崎は銃をおろすとポカーンと口を開けて、だらしない顔をしている。

俺はなにも映っていないか確認も兼ねて、スクリーンに目を向けた。



眉間にしわを寄せていたはずの俺は




笑っていた。
……違うガラスを見ても俺は笑っている。


あれもこれもそれも俺は不気味に笑っている。……次第に口が開く。だが俺の口はぴくりとも動いていない。




クスクスと笑うような声も聞こえる。だがそれは尾崎や田坂には聞こえてないようだ。

……呑気に世間話をしている。
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