マンホール
「大島くん…知ってるよね?」

菊久乃は眉間にしわをよせながら頷く。菊久乃にもまだよくわかっていないようだった。

そりゃあそうだ。あたしにもわかっていないのだから。菊久乃はあたしの耳元で話す。


「絶対おかしい。この前から…」


確かに、この前にマンホール事件を見てから奇妙なことばかりが起きる。それとも気のせいなのだろうか?

あたしは菊久乃の耳元で呟く。


「原因探そうよ」


大島くんを見つけたかった。みんなに大島くんがいたってことを思い出してほしかった。
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