マンホール
静かな家に響いてく。だれもいないのか…。5分くらい待っていたが、誰も出てこない。

「ねぇ、茜音」

菊久乃はいきなり門を開け、ズカズカと庭に入る。あたしは驚いて、菊久乃のあとについていく。

「ここにマンホールがあるのって変じゃない?」


確かに、道路にしかないマンホールが大島くんの家の庭にあった。どう考えても変だ。


菊久乃はしゃがみこみ、難しい顔をしながらマンホールの蓋に人差し指で触れる。

あたしもしゃがみ、菊久乃がマンホールの蓋に触れているとこをまじまじと見つめた。
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