マンホール
あたしは喉が渇いたのでドアを開け、一階に向かった。

「…だから…」「…わかってる…」

ひそひそとリビングの方から話し声が聞こえる。それはきっと母と父だ。


そっと覗いてみる。やはり母と父だった。だがなにか神妙な顔つきだ。


「どうするの?」


母は父に問い詰めた。なにを話しているのかはわからない。もう少し耳をすまして聞いてみる。


「わかってるよ。だが、SPをつけると余計に狙われるかもしれない。茜音も中学生だし1日中誰かにつけられてるのも嫌だろ」


父は母に言い返した。あたしの話なの?SPって…どうして?
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