マンホール
「この子は先に出てきたのでIQは計りません。…ご出産おめでとうございます」


ほっと一同が胸を撫で下ろした。
その役人の言葉は皮肉にも聞こえた。


2人目が測定器にかけられた。

ピーピーピーピーピーピー…
再び嫌な音が分娩室に鳴り響く。


またピンと張り詰めた空気が流れる。


ピー…


「二人目は…」




役人はためらった。

次の言葉が聞こえるまで何秒も何分もかかったような気がした。

やはり殺されることになるのか…。
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