ショート・ミステリーズ!短編集その1
三島栄子の家から
出た田村憲は
極度の緊張で
発汗していた。

彼は警察官だった。
パトロールの最中に
彼女に会った。
一目見て惚れて
しまった。

不器用な彼はこういう
ストーカーまがいの
行為でしか、
彼女と話すことが
出来なかった。

彼は今まで送った
品物を
思い出していた。

pen.

orange juice.

lip stick.

ice cream.

comb.

eraser.


頭文字をつなぐと…。


彼女は気付いて
くれるだろうか?


いや、大丈夫だ。
そうに決まっている。



彼の胸は幸せで
一杯だった。




< 19 / 58 >

この作品をシェア

pagetop