ショート・ミステリーズ!短編集その1
人と人の間を
通り抜けながら、
改札をくぐり、
ちょうどやってきた
快速列車に
乗り込んだ。

満員だった、
いつものように。
俺は座れなかった。

カバンから
ウォークマンを
取り出し、
音楽を聴く
ことにした。

だいたい五曲目
くらいで、
俺の降りる駅に
着くと知っている。

いつものことだった、
そこまでは。
あの男を
見つけるまでは。
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