ショート・ミステリーズ!短編集その1
「えっ?何だって」
にやにや笑いをした
瀬戸が聞き返す。
マリアは小さく
溜め息をついた。

「いったい何が
したいのよ……。
こんな部屋に
あたしを閉じ込めて。
あんたこんな人
だったの?」

さっきよりも
幾分大きな声で。

にやにや笑いを
やめない瀬戸は、
諭すように言った。

「じゃあ聞くけど、
他の男と徹夜で
遊んでたのは
誰だい。」

一瞬の沈黙。

「俺はてめえに
聞いてんだ!
さっさと答えろ!」

瀬戸が突然
怒鳴った。
マリアは
体をビクつかせる。
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