ショート・ミステリーズ!短編集その1
ぼくはドアを開けた。
彼女はいた。
ベッドの上に。
「藤原さん……」
「あなたは……」
彼女は困惑している。
無理もない。
だって……
「西原有志です。
覚えていますか」
「西原……有志……」
彼女は唇に指を当て
記憶の糸をたぐる。
彼女のハッとした
表情。
「もしかして、
級長をやっていた
……あの……?」
彼女は思い出して
くれた。
涙が出るほど
嬉しかった。
「そうです。
お久しぶりです」
「懐かしいわねぇ……
何年ぶりかしら」
「そうですね……
ちょうど60年ぶり
ですね」
今ではぼくたちは
75歳。
ぼくも彼女もだいぶ
老けてしまったが、
彼女の愛くるしい瞳は
残っていた。
「実は今日あなたの
夢をみたんですよ。
それで会いたいと
思って」
彼女は目を丸くした。
「えっ、田中さんが
わたしの夢を?」
彼女はいた。
ベッドの上に。
「藤原さん……」
「あなたは……」
彼女は困惑している。
無理もない。
だって……
「西原有志です。
覚えていますか」
「西原……有志……」
彼女は唇に指を当て
記憶の糸をたぐる。
彼女のハッとした
表情。
「もしかして、
級長をやっていた
……あの……?」
彼女は思い出して
くれた。
涙が出るほど
嬉しかった。
「そうです。
お久しぶりです」
「懐かしいわねぇ……
何年ぶりかしら」
「そうですね……
ちょうど60年ぶり
ですね」
今ではぼくたちは
75歳。
ぼくも彼女もだいぶ
老けてしまったが、
彼女の愛くるしい瞳は
残っていた。
「実は今日あなたの
夢をみたんですよ。
それで会いたいと
思って」
彼女は目を丸くした。
「えっ、田中さんが
わたしの夢を?」