Adagio-四音の奏-

「でも…実はね、僕は松浦の事も心配なんだ。あいつのピアノ、上手いけどいつも律動が攻撃的なんだよ。どうしてなのかなぁ。一緒に音を合わせているとこっちまで胸が苦しくなるような緊迫感を感じるんだ。ウーチャンはそう感じた事ない?」

「うーん…あんまり…。それってタイチが松浦に対して何か特別な意識を持ってるからじゃないの?」

僕の思いを見透かすように、彼は体を少し曲げて僕の顔を覗き込んだ。



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