Adagio-四音の奏-
「あのさ、松浦。僕は君のピアノが変わってしまったこと…なんとなく気づいていたんだよ。理由までは察することが出来なかったけど。ピアノをやめたい気持ちも判るよ。でも、今はもう少しだけ待って欲しいんだ。」
「…そんなに評価が欲しいの?太一もみんなと同じなんだね。」
「違うよ。この合宿で、僕達は何か変われるような気がするんだ。チームワークや評価だけじゃない。何かを得られるような気がするんだ。それに…僕はこのカルテットを完成させたいんだよ。僕達のチームは浩史、碧海、松浦と一人一人の個性が強くて一筋縄じゃいかないけど、皆の奏でるハーモニーが僕は大好きなんだよ。誰か一人が欠けても嫌なんだ!」