Adagio-四音の奏-

一人取り残された僕は、無意識に碧海の隣に座る松浦を振り返ったが、彼女は僕と視線を合わせると、

「おやすみ。」

と小さく囁いて瞼を閉じた。


(ちぇっ…。)

僕は仕方なく外の景色を見つめた。
窓の外には太平洋がキラキラと夏の日差しを反射して輝いている。
眩しい光が誘う猛烈な眠気に、瞼は重くなり静かな眠りの淵に僕はゆっくりと沈んでいった。
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