Adagio-四音の奏-
「あははっ、君がそんな顔することはないだろ?僕は大人です。今は平気だから…気にしなくていいんだよ。」
先生は、カゴを下に置き可笑しそうに笑った。
「君たちも、肘の使いすぎには注意するんだよ。まだ体が出来ていないうちは特にね。」
そう付け加えると、彼は次の作業に戻っていった。
僕も浩史の所へ戻り、再び黙々とトマトを摘んだ。
額には汗が滲み、Tシャツが噴出す汗を吸い込み重たく肌にまとわりついた。