First Love
「先生は?」
「いないんだよ。心配だから武田一人に出来ないし
俺ここにいるからもう少し寝てろよ。」
今まで感じていた冷たさが
嘘のような優しい目をした大智。
「ねぇ、どうして私は武田なの?」
「えっ!?」
「武田じゃなくて澄花って呼んで?」
なぜかわからないけど
急に大智に名前で呼んで欲しくなった。
「ねっ?」
戸惑いながら大智は
「す…澄花」
と呼んでくれた。
それだけの事なのに
ものすごく嬉しくて笑ってしまった。
「何がおかしいんだよ。」
と一瞬怒った顔をした後
大智も笑った。
「大智って優しいんだね。」
「別にそんな事ねぇよ。」
照れたような笑顔がとてもかわいかった。
「つうか俺
澄花に嫌われてると思ってた。」
その言葉に驚いた。