もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜

西口メイン側から入場した僕は少し歩くと別行動の為一人ゴール裏へ向かった。

「ちょっと待ってぇ!」

その声に振り向くとしぃちゃんが追い掛けて来た所だった。

(´・ω・`)
「どうしました?」

(*^^)
「うん、あのね、お金ちょーだい」

(´・ω・`)
「え・・・」

(*^^)
「お昼まだだし、静香ちゃんにも何か買ってあげたいし」

(´・ω・`)
「ちょ!僕が出すんですか?」

(*^^)
「当たり前じゃない。親孝行だと思って、さあ出しなさい」

僕は渋々財布を取り出し諭吉さんを一枚渡す。

(*^^)
「給料出たばっかでしょ、もう一枚!」

(´・ω・`)
「えーーー!何に使うんですか」

(*^^)
「良いから、ほらほら」

僕は震える指で諭吉さんをもう一枚渡した。

(*^^)
「ありがと、大好き!」

(´・ω・`)
(しぃちゃんが大好きなのは諭吉さんでしょ・・)

(*^^)
「じゃあ後でね」

僕は「はあ〜」とため息をつき、またゴール裏へと歩き始めた。

背後からしぃちゃんが叫ぶ。

(*^^)
「ねー!帰りの運転があるんだから飲んじゃダメだよー!」

僕は返事の代わりに右手の中指を一本立てた。
背中越しに「がんばって声出せよ!」と笑いながら言うしぃちゃんの声が聞こえた。

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