もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜
第3章〜感動〜
決戦当日午前6時。
僕は車で駅前ロータリーに進入して驚いた。
駅には青いトリニータのレプリカユニホームを着込んだ人達で溢れていた。
これからバスや電車鳥栖に向かうであろうサポーター達が大勢いた。
僕は通行の邪魔にならない場所に車を停車させ、しぃちゃんの携帯に電話した。
待ち合わせ場所は大分駅とは言ったものの、こんなに青い人がいたんじゃ見つける自信がない。
呼び出しのコールが一回、二回・・・。
と、助手席の窓がコンコンと叩かれた。
しぃちゃんが車の中を覗き込むようにして立っていた。
この人にはいつもビックリさせられる。
(´・ω・`)
「良くわかりましたね」
僕は運転席から降りて、後部座席にしぃちゃんの荷物を載せつつ声をかけた。
(*^^)
「そりゃあわかるよ。愛してるからね」
(;´・ω・`)
「はい?」
(*^^)
「あはは、それじゃ、しゅっぱーつ!」
本当、朝から元気な人だ。
僕はしぃちゃんの為に助手席のドアを開けてあげた。
(*^^)
「紳士じゃん」
しぃちゃんはちょっとハニカミつつ助手席に滑り込む。
僕が運転席側に回り込もうとしたその時、一台の車がクラクションを鳴らしながら横を通過して行った。
こっちに手を振りながら。
正しくはしぃちゃんに手を振っていたんだった。
僕は運転席に乗り込みながら
(´・ω・`)
「知り合いですか?」
(*^^)
「そう、ここまで送って貰った友達。あっちは3人で行くんだって」
(´・ω・`)
「そうですか、じゃあ僕たちも行きますか」
(*^^)
「うん!行こー!追いかけろー!」
しぃちゃんがニコニコしながら言う。
本当に元気な人だ。
僕はゆっくりと車を発進させた。
椎迫から大分ICへ。
待ってろよ鳥栖スタジアム!
僕にもしぃちゃんの元気が乗り移ってきたみたいだ。